日曜劇場「冬のサクラ」の放送が始まった。出演者のなかでも、ドラマに久々に登場した今井美樹のせつない演技が良かった。
初回を見て印象に残ったのは、稲葉祐(草彅剛)の母親(吉田日出子)が認知症を患っていたのだけれど、本人は過去の記憶のなかに生きていて幸福そうだったこと。それは、現実の認識が出来なくなってしまって周囲の人間との関係は成立していないのだけれど、自分らしく生きた過去の記憶のおかげで自分が保たれていたからだろう。
今までのことを良く思っていない弟(佐藤健)は当然ながら、母親には冷たかった。祐は同じような経験を背負っていながらも、献身的に母親の世話をしていて周囲からは大変そうに見えても、祐自身の心は満ち足りていたように見える。
祐と巡り会った石川萌奈美(今井美樹)は、祐の母親とは対照的に過去の記憶を喪失してしまっていた。その過去は決して楽しいといえるもではなく、自分の生活はつらい出来事に満ちていたようだ。
現実の認識は保たれながらつらい現実を背負っている萌奈美と、祐に見守れながら一生を全うした母親。このように「冬のサクラ」の物語は始まった。これから、おそらく祐のやさしい気持ちが萌奈美を包み込んでいくのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。