やわらかゼミで取り上げるかも、という本から、やわらかゼミではとりあげないかなという感じのハウツー的なものまで。
まずは、ぷんくまさん向けに、
酒井穣著「ごきげんな職場」東洋経済新聞社
です。
もともとは、買収した会社と本体の社員の融和を促進するために書いた本だそうです。
簡単に言えば職場コミュニティの作り方に関する内容です。どうでしょう、ぷんくまさん。
ポジティブ心理学とか、やわらかゼミで馴染みのある言葉も出てきます。
さらにですね、クリス・アージスとドナルド・ショーンによって提唱されたダブルループ学習が紹介されています。
問題解決にあたって、理論の適用レベルのシングルループ学習に比べて、ダブルループ学習は、背景のより深い理解に基づいて行動のフレームそのものを変更するような学習です。〝気づき〟ですね。これは、ある意味、やわらかゼミにの目指すところです。
たぬき猫さん、ご紹介ありがとうございます。
返信削除買って読んでみます。
ぷんくまです。
返信削除人生の目的は仕事のみにあらず。されど、1日の3分の1を職場で過ごすのだから、「ご機嫌な職場」の方がいいですよね。
「ご機嫌な職場」は、「企業の収益」(:私たちの職場のミッション達成)と密接に関係しているということを前提にこの本は書かれています。
衰退しつつある「職場コミュニティー」を再構築するためには
①インターネットを介したコミュニティーとの差異を意識すること
②そこに集まる理由(=理念)についての議論を活性化させること
③よい職場コミュニティーの持つ意義を体感し、意図的に「非公式なコミュニケーション」を発生させること
が必要だと酒井氏は述べています。
「非公式なコミュニケーション」とは、仕事とは直接関係がなく、人間の交わりを目的としたコミュニケーションのことで、具体的には、雑談や懇親会での会話などを意味するようです。一見無駄なようにも取られますが、実は知識創造理論では、「非公式なコミュニケーション」の冗長性が、イノベーションの源泉とされていることも指摘されています。
この本では「職場コミュニケーション研修」の具体的な提案が書かれているのですが、そこに「学習」についての二つのモードが紹介されています。それが「シングル・ループ学習」と「ダブル・ループ学習」です。
たぬき猫さんが紹介してくださっていますが、行動の修正レベルの学習が「シングル・ループ学習」です。一方「ダブル・ループ学習」とは、結果の中に、問題(=設定された目標と結果のズレ)を発見し、行動の基準となる理論のフレームそのものを変更・修正するような学習のことを指すとのことです。
行動の変容の対応のみではうまく行かなかった場合、「そもそもこの問題の背景は何だったか?」と深く理解し直すことによって、「真の目的や原因を考えたり、思い込みからくる制約条件の存在を疑ったりする」レベルに至る学習が重要だと述べています。そして、そのような学習が起こることの条件として9つのポイントが示されています。
ここから、ぷんくまのコメント。
特別支援教育コーディネーター機能の一つとして、研修の企画、実施ということがあります。研修の目指すところは、「子どもの真の教育的ニーズを考えてもらうために参加者にダブル・ループ学習をしてもらい、行動の変容をうながす」ということになります。いかにその場を「学習の起こりやすい場」にしていくかという視点での教材の採用とプログラムづくりが大切だと思いました。自分の取り組んでいることの課題のヒントを得たように思います。どこを落としどころにするかというファシリテートの難しさを、プログラムの企画そのもので補うことができるかもしれません。
また、校内支援という機能について、職場コミュニケーションを意識して眺めてみるのも面白いと思いました。
職場コミュニケーションには、意志の伝達機能の強いものから、人間の交わり機能の強いほうに向かって順に、
①情報伝達重視型
②問題対応型
③対話型
④個別対応型
⑤人間関係維持型
と5つに分類されるそうです。支援の相手や内容によってケースバイケースだと思いますが、いろいろなコミュニケーションのパターンを目的別に意識的に使い分けることが必要だなと思いました。
コミュニケーション論、面白そうです。続けて参考文献を読んでみようかなと思っています。
いやいや長々と失礼いたしました。
ぷんくまさん、まとめとコメントをどうもありがとうございました。
返信削除修了生の方にも、こうしてやわらかゼミを続けてくれていること、嬉しく思います。
これから、コンサルの現場でもダブルループ学習が大きなトレンドになりそうな気配を感じます。
いま、振り返り、自己省察といった言葉があふれるようになりましたが、これは結局、ダブルループ学習のプロセスになっているんですね。
コンサルの場合は、振り返りに本人が持っていない別の解釈の視点を提供していくことが、ダブルループ学習を促進することになるのだろうと思います。
提供した道具を使って、実行してみて、それをほめるだけではシングルループにとどまってしまうということでしょう。
ぷんくまです。
返信削除そうですねー。「ダブル・ループ学習」の促進がこれからのコンサルのテーマですね。
どうやって促進するのかが大きな課題です。
やっと自分の修論のテーマがクリアに見えてきました。おそいよー。おそすぎるよー。
自分の知っている世界だけしか見ていないと、
思考のフレームがナカナカ外れなくて、結局同じところをぐるぐると回ることになっちゃいます。
この「ご機嫌な職場」のなかでは、職場で「読書」を推奨していて、そのための補助金を出しているという事例が出ていました。いかにその制度の利用促進をするかという具体的な提案まで。取り組みが企業のリソースになるという波及効果を確信しているわけですね。
つまり、読書は一人でできる「ダブル・ループ学習」(うまくいけば)。
そして「やわらかゼミ」ではいろんな人の意見や考え方がきけて、さらに「ダブル・ループ学習」を促進する仕掛けとなっているんですね。
うまい!よくできてる!
院生時代、本ゼミも大切でしたが、このやわらかゼミは本当に大きな意味がありました。
最近はもっぱらビジネス書とミステリー、ときどき漱石・・・ひとり「ダブル・ループ学習」にチャレンジのぷんくまでした。